
ドラマ『地面師たち』は、東京の不動産業界を舞台に、
巧妙な詐欺を働く地面師集団と彼らを追う警察の攻防を描いた作品です。主要な登場人物と物語の概要を以下の見出しでご紹介します。
このドラマは、実際にあった事件(積水ハウス地面師詐欺事件)を元に制作されています。
「積水ハウス地面師詐欺事件」紹介
- 大企業による土地の購入計画
積水ハウスが購入しようとしたのは、東京都品川区西五反田の一等地にある旅館「海喜館」の約600坪の敷地。
(ドラマのオープニングをよく見ると、地図に記載があります)。買取価額は70億円でした。 - 偽の土地所有者と契約
土地の所有者を偽った地面師グループが、中間買主とともに積水ハウスと接触。
精巧に偽造した身分証明書や印鑑証明書を用意して本人確認を行い、なりすましの女性を「本物の所有者」と思い込ませました。 - 契約と支払い
積水ハウス側は通常実施する「知人による確認」を実施せず、稟議書についても幹部4人を飛ばして現地視察をしていた社長が先に承認し、早々に稟議決裁を行った後、売買契約を締結。 - 地面師たちによる詐欺発覚
法務局から不動産の本登記却下の連絡が入り、詐欺が発覚した。積水ハウスは警察に被害届を提出。 - 捜査と逮捕
警視庁が詐欺グループを摘発。メンバー10人が起訴されて有罪判決を受けましたが、積水ハウスが支払ったうち55億円は戻りませんでした。
原作は 新庄耕氏の小説『地面師たち』(2019年刊行)となっている。
地面師集団の主要メンバー
辻本拓海(演:綾野剛):地面師集団の交渉役。過去に家族を失い、無気力な生活を送っていたが、ハリソン山中と出会い、詐欺の世界に足を踏み入れる。
ハリソン山中(演:豊川悦司):地面師集団のリーダーであり、詐欺プロジェクトの首謀者。元暴力団幹部で、地上げのノウハウを活かして土地詐欺を仕掛ける。
竹下(演:北村一輝):土地の情報を集める情報屋。独自のネットワークを持ち、次のターゲットを提案する。
後藤(演:ピエール瀧):元司法書士で、不動産に関する法律の知識を持つ。巧みな話術で交渉を進める。
麗子(演:小池栄子):偽物の地主をキャスティングする手配師。全国各地を渡り歩き、候補者をスカウトする。
協力者
長井(演:染谷将太)
公的文書の偽造を生業にする「ニンベン師」。ハッカーとしても凄腕の持ち主で、リモートで地面師チームをサポートする。引きこもりだが、拓海とは打ち解けている。猫好き。
オロチ(演:アントニー)
竹下の子分。地面師になりたがっているが地頭は良くなく、地面師チームの足を引っ張ることが多い。
林利勝(演:マキタスポーツ)
後藤の知り合い。地上げした土地や怪しげな土地をデベロッパーに売り捌く不動産ブロー カー。地上げ屋でもあり、過去には石洋ハウスの青柳とも付き合いがあった。後藤から高輪の土地の話を持ちかけられ、阿比留を紹介する。
阿比留剛(演:安井順平)
ABIRUホールディングス社長。林の知り合い。石洋ハウスに土地の情報を与える中間業者として間に入る。
佐々木文雄(演:五頭岳夫)
麗子がスカウトした一般人。消費者金融に270万円の借金がある。恵比寿の土地の所有者〝島崎健一〟になりすまし、仕事を終えた後は長崎で暮らす予定だったが…。
谷口淑恵(演:小林麻子)
麗子がスカウトした一般人。熱海のホテルや旅館で派遣の清掃員として働いているシングルマザー。病気の息子のために大金を必要としている。光庵寺の住職・川井菜摘の役を担うことになっていたが…。
警視庁捜査二課の捜査官たち

下村辰夫(演:リリー・フランキー):警視庁捜査二課の警部。過去にハリソン山中を逮捕するも不起訴に終わり、再び彼の関与を疑い独自に捜査を始める。
倉持(演:池田エライザ):警視庁捜査二課の巡査部長。刑事ドラマに憧れ、辰夫とバディを組んで地面師事件を追う。
各話のあらすじ紹介
第1話:詐欺師たちの集結
地面師集団のリーダー、ハリソン山中は、過去に家族を失い無気力な生活を送っていた辻本拓海を仲間に引き入れます。一方、警視庁の刑事・下村辰夫は、新橋のビルで発見された白骨遺体の捜査を開始し、過去に逮捕できなかったハリソン山中の関与を疑います。地面師たちは、不動産企業マイクホームズをターゲットに詐欺を実行し、成功を収めます。
第2話:新たなターゲット
地面師集団は、次の標的として港区高輪にある光庵寺の敷地内の土地を狙います。一方、石洋ハウスの開発事業部長・青柳は、建設予定の複合施設の土地取得に失敗し、代替地を探すことを決意します。地面師たちは、光庵寺の住職である川井菜摘の動向を探り、詐欺計画を進めます。
第3話:計画の進行と捜査の追跡
拓海たちは、川井菜摘がホテルでホストたちと過ごす様子を録画し、彼女を外に連れ出す作戦を立てます。一方、刑事の倉持は拓海の父親から情報を得ようとし、下村刑事は地上げ屋の林が殺害された事件を調査します。地面師たちは、石洋ハウスとの取引を進めるため、中間業者との契約を進行させます。
第4話:詐欺計画の深化と内部の不和
詐欺計画が順調に進行する中、地面師グループ内での不和が顕在化し始めます。拓海は、川井菜摘のお気に入りのホスト・楓の弱みを握り、彼女を寺から遠ざけるための証拠を手に入れます。一方、刑事たちは地面師グループの動きを追い続け、詐欺の全貌を暴こうとします。
第5話:緊迫する取引と捜査の進展
地面師グループと石洋ハウスとの取引が進行する中、石洋ハウス内では詐欺の可能性が指摘され、青柳は社長を巻き込んで決裁を進めようとします。一方、刑事たちは地面師グループの正体に迫る手がかりをつかみ、捜査が進展します。
第6話:計画の崩壊と内部抗争
契約前日に予期せぬトラブルが発生し、地面師グループ内での不和が表面化します。オロチが川井菜摘の誘拐に失敗し、グループ内の緊張が高まります。一方、竹下は何者かに命を狙われ、事態は混迷を深めます。
第7話(最終話):決着とその後
詐欺計画が崩壊し、地面師グループ内での裏切りが相次ぎます。拓海は自身の過去と向き合いながら、ハリソン山中との決着をつけようとします。最終的に、警察の捜査が詐欺の全貌を暴き、地面師たちの運命が明らかになります。
「地面師たちの宴」アフタートーク
役者たちのアフタートークにて、演じた際の面白いエピソードを聞くことができます。