「開けろ!デトロイト市警だ!」とは
2018年5月25日に発売されたPS4のADVゲーム『デトロイトビカムヒューマン』において、
主人公であるコナーが捜査のため部屋を訪れた際に発したセリフが元ネタとなっている。
入りたい部屋のドアが施錠されていた時や、不正を働いたと思われる人を目の前にした際などの
場面に用いられるセリフとなっている。
クソデカボイスと言われる要素として、主人公でアンドロイド(ロボット)であるコナーは
常に冷静沈着で理性的な行動をするキャラクターであったのだが、
このシーンに限っては、
コナーがドアをノックする ※冷静
↓
反応なし
↓
コナー「すみません」 ※冷静
↓
反応なし
↓
コナー「開けろ!デトロイト市警だ!」 ※ぶちギレ
という流れとなっており、
プレイヤー視点からすると、それまで冷静沈着でクールなコナーが、
部屋からの反応がなかっただけでいきなり怒鳴りだした!!??と
驚いた人が多く、ネット掲示板やTwitterを中心に話題となった。
※その時についたあだ名が「クソデカボイスのコナー君」であった。
「開けろ!デトロイト市警だ!」の元シーン紹介
『デトロイトビカムヒューマン』の14話「鳥の巣」にて、
コナーは警部補のハンクと共に部屋の捜査に訪れていた。
カッコいいけど怖いよ・・・
声優インタビューによる裏話
「開けろ!デトロイト市警だ!」だけがクソデカボイスになった理由として、
コナーの声優を担当した花輪英司さんはこのように語っている。
収録当時はまだゲームの映像が仕上がっておらず、
どの状況や場面で発するセリフであるか不明であった。
台本や前後のシーンから想像して演じていた中で、
「開けろ!デトロイト市警だ!」というセリフは屋外のシーンだと思って収録していたようだ。
――声を収録される時、ゲーム本編のグラフィックや映像はどこまで完成した状態だったんですか?
顔に点々をつけたモジモジくん……パフォーマンスキャプチャーをされている映像をもらって、それを見ながら録っていました。オープニングの部分(ダニエルが人質を取るチャプター)だけはゲームの映像が出来ていましたが、最終的なゲーム本編を見てみると、自分が出ていたものよりもかなりクオリティが高くなっていてビックリしました。
――背景やシチュエーションがわからないことで、収録が難しかった部分もありましたか?
【レポート】第一回『デトロイト ビカムヒューマン』オフ会
基本的に、体育倉庫みたいな場所で撮られていたので……屋外なのか屋内なのか、わからない部分もありましたね。台本の指示に従ったり、映像から想像したりしていました。車に乗っているシーンとかでも、ダンボールと木で組まれた車に乗ってるんですよ。ただ、映像があった分、演じやすかったというのはありますね。
――今回、ゲームのローカライズには珍しく"台本"が作られていたとのことですが。
そうですね。他の作品だと、製本されていない紙で渡されることがほとんどです。自分のセリフだけ書いてあって、どんな状況で、相手のどんなセリフを受けて話しているかわからないので、原語版のテンションに合わせて演じていることも多いですね。出来上がったシーンを見て初めて、ああこういう場面だったんだ……となることも、いまだにあります。すんげー近くにいる人と話してると思ったら、遠くにいる人と話していたり。
――「開けろ、デトロイト市警だ」も?
アレは完全に屋外だと思って録ってましたね(笑)でもあそこの場面は、普段の吹き替え以上にわざと「すみません」と「開けろ!」のテンションにギャップをつけて演じた部分はあります。その方がゲームっぽいしアンドロイドっぽいし、いいかなと思って。
「すみません。」と「開けろ!」のセリフもあえて
感情に差をつけて収録をしていたという。
捜査のために「開けろ!」って言っているなら、確かに玄関先を想定しそうである。
英語版 「開けろ!デトロイト市警だ!」
『デトロイトビカムヒューマン』はアメリカで開発されたゲームとなっており、
当然英語版のセリフも存在しているが、それがどのようなテンションであるかはこちらを見てほしい
英語版は
「Anybody home?」(すみません。)
「Open up! Detroit Police!」(開けろ!デトロイト市警だ!)
というセリフになっているが、
Anybody home?の時点で声を荒げているため、そこまでテンションの差が感じられない。
クソデカボイスと話題に上がった要因は、
花輪英司が「すみません。」と「開けろ!」の間のテンションに
差をつけた功績によるものであった。